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    「麻の葉」創刊

「麻の葉」創刊

2012/04/28 (Sat) 17:41
麻布教育研究所通信「麻の葉」

みなさま

記念すべき第1回のメールマガジンは、インドネシア・ジャカルタから
お送りします。
今週の私のスケジュールは... 月曜日が地学オリンピック事務局出勤、火曜日が
神田外語大学での非常勤講師、水曜日が八千代市立睦中学校の校内研修参加、
木曜日が和光大学での非常勤講師、で、金曜日に成田からジャカルタに飛んで
きました。今日は貴重な休日です(明日はまた、インドネシア国内で飛行機移動)。

睦中学校での研究授業は、2年目の若い男性教諭による2年・数学の授業でした。
文字式は、1年生から導入されているのですが、それがいよいよ本格的になって
いくところの出発点となる単元です。円周の差を文字で表す工夫が課題になった
のは多くの教科書と共通ですが、素材がちょっと違います。この先生は、気象
衛星ひまわり(7代目)とISS(国際宇宙ステーション)の軌道を素材に用いる
試みをしたのでした。授業の細かいテクニカルな部分で、改善点はまだあるの
かもしれませんが、なによりもすごかったのが、授業後です。ふだんの授業中
ではなんとなく集中していなさそうに見えていた男の子が、この授業のあと、
わざわざ黒板の先生のところまで来て、「こういうふうにしてできるんじゃ
ない?」と言いに来たのでした。ほかの生徒たちも、あちこちで集まって、
「つまりこういうことじゃやないのかな」とか「こうすればいいんだよ」と
言い合っていたのです。授業後にです。

私はこの先生に、「勲章ですね」と申し上げました。今回の授業で、けっきょく
生徒たちはだれも文字を使った説明を完成できませんでした。その意味では
今日の到達目標に到達していません。しかし、すべての生徒がやる気を失う
ことなく、もっと考えたいと願ったのです。それは、一部の生徒だけが目標に
到達するだけの授業より、はるかに成功と呼べる授業ではないでしょうか。
教師にとって、授業後もさめやらぬ生徒の活動の姿ほどうれしい「勲章」は
ないでしょう。

なぜこれが可能になったかというと、それはまさに数学的活動、すなわち、
推論、仮定、思考実験・試行実験、を協同で追究していたからだろうと
思います。「数学は問題が解けるからたのしい」という私たちの思い込みに
対して、再検討を迫る実践だったと思います。「解けないことに挑戦する
ことがたのしい」と思える子どもたちが、そこにいるのです。
逆に、それができるだけの子どもたちをこの学校がみんなで育ててきた、
彼・彼女らも育ってきたのだということだとも言えるでしょう。

ちなみに同じ学校で数学の先輩であり主任の先生の授業は、またこれが最高に
愉快なものでした。中学1年数学の最大の関門、正負の数の単元3時間目で
出された課題が、「M君は何打でコースを回ったでしょう」というゴルフの
問題でした(笑)。私は、こんなにもゴルフが正負の数に有効な素材であるとは
知りませんでしたし、またそのための周到な単元構成についてもお話を聞く
ことができました。

この4月25日が、今年度最初の学校訪問でした。明後日からは、こちら
インドネシアで中学校を訪問してまいります。そのようすもできたらお伝え
したいですし、また、今年初めて担当している大学の非常勤講師の科目に
ついてもまたお話しする機会があるといいなと思います。

睦中での私のスライドは、麻布教育研究所のwebサイトにアップしましたので、
こちらからご覧いただけます。
http://azabu-edu.net/data2012/20120425MutsumiJH.pdf

それにしても、ジャカルタは寒いです(笑)。外気温は34℃くらいなのですが、
ショッピングモールのスタバにいる私は、ジャケットを着て、マフラーを
巻いています。そうしないと風邪をひくのが、これまでの私の経験則です。
このジャカルタの繁栄(と、地方の格差)についても、またお話ししたい
ですね。いま私の周囲にいる人々は、みんなiPadかiPhoneを持っています。
モールの1階会場では、SamsungがSmartTVとTabletのキャンペーンをやって
います。人口が2億人もいると、お金持ちもまた半端ない(質・量ともに)
のです。どうしてこれで、明日から訪問する地方のそのまた山奥に行くと、
学校にメスシリンダーがたった1つしかない、ということが起こりうるのか。
東南アジアは多くのことを現代日本に教えてくれます。


村瀬公胤
麻布教育研究所
http://azabu-edu.net/

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お知り合いの方に広めていただけたら、ありがたく存じます

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