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「麻の葉」第16号

2015/08/23 (Sun) 07:25
麻布教育研究所通信「麻の葉」第16号

みなさま、長くご無沙汰してしまい、もうしわけありません。
ある人からは、「自分のアドレスはまだ登録されていますか」と聞かれて
しまったくらいです。半年以上も「麻の葉」の発行が遅れたのは、初めての
ことです。

今日、4回目のミャンマー出張が終わるところです。
今年の8月15日は、こちらで過ごしました。とくに今年は70周年の区切りだった
わけですが、この日を東南アジアで過ごすことは、特別な意味があったように
思います。日本国では「終戦記念日」と呼ばれるこの日は、ある時代が終わった
象徴です。しかし、東南アジアの多くの国々にとっては、新しい時代が始まった
象徴でもあります。たとえばインドネシアは、1949年の独立まではオランダと
戦わねばならなかったのですが、1945年の8月17日の独立宣言をもって、独立
記念日としています。

私はここで、先の大戦の評価を云々するつもりはありませんが、重要なことは、
違う立場から見れば、また違う風景が見えるということです。誰かの身になる
ということは、けして簡単なことではありませんし、僭称するべきでもないと
思いますが、それでもなお、想像力は人として大切な心の動きではないかと
思うのです。昨今の政治や社会の状況を考えるにつけ、その大切さが際立って
きたように思います。

たぶん、想像力は重要な学力の構成要素なのだと思います。学べば学ぶほど、
人は謙虚になります。自分が知らないことに対して慎み深くなり、自分とは
違う文化・信条の相手のことをなんとか理解しようとしたり、いまとは違う
自分自身を思い描いてみたりする、想像力は平和と活力をもたらす重要な力
であるはずです。

ついこのあいだまで軍政だったミャンマー国は、いま急速に変わっています。
私は、かつてのこの国が、どのような社会だったのか知りません。ただ、軍に
しろ何にしろ、民主的でない独裁政権とはどのようなものなのかと、推測する
ばかりですが、、、独裁がなぜいけないのかの理由の一つとして、想像力の
欠如があるのではないかと思いました。独裁は、人々から想像力を奪うのです。
相手は自分の理解できるように動くのだと思い込み、自分はこのようにしか
生きられないのだと思い込み、知らないということが怖くなくなるとき、人は
人でなくなってしまうのではないでしょうか。日本という国が再びそうなる
ことはないと、どうして断言できましょう。そして、自分自身がそうならないと、
どうして断言できるでしょう。人が人らしくあるために、学び続けなければ
ならないのです。学力がある人とは、学び続けられる人です。

いちおう世間で言うところの「教える」というものの近くで仕事をしている
私は、教えてばかりで、自分が学ばなくなるのではないかと、いつも怖さを
感じています。いや、すでにそうなっていて、そのことに気づいていないだけ
かもしれない、と思うと、もっと怖いです。私はいつまで学び続けられるで
しょうか。

名護市での勤務も3年目になりました。また、新しいプロジェクトにも
関わるようになったりして、ますます落ち着かない日々です。それでこの
通信もご無沙汰してしまったりしたのですが、学び続けている証拠を示す
ためにも、これからはもっと頻繁に出したいですね。

村瀬公胤@ヤンゴン国際空港
一般社団法人麻布教育研究所 所長
名護市教育委員会 学校教育特任アドバイザー