東京ビエンナーレジャーナル VOL.02
見なれぬ景色へ
2021.04.02
TOKYO BIENNALE 2020/2021

「神田っ子ポートレイトプロジェクト」より撮影風景(2013)

あなただから

東京ビエンナーレ事務局長の宍戸遊美です。
東京ビエンナーレ2020/2021は、ギャラリーや美術館ではない場所を会場として、アーティストたちによるプロジェクト活動と「来場者」との接点としています。
その実現は、実は簡単なことではありません。私たちが会場として展示したい、活動拠点にしたい場所は、一般的に住宅を引っ越しするときに不動産屋さんが親身になって物件紹介をしてくれるようなことは、なかなか無いのです。
そんな中で、何故東京ビエンナーレは会場を決めていけるのか。
その鍵を握るのは、 東京ビエンナーレエリアディレクターと呼ばれる、地域と芸術祭との繋ぎ手、そして地域の語り手となる人たちです。事務局と一緒に、会場交渉や広報活動、アーティストの制作サポートなど、関わりは多岐に渡ります。長年ここで暮らし活動してきた人達だからこそ、この土地で新しく始まろうとしている東京ビエンナーレへ期待と確信を持って関わってくださっています。エリアディレクターによる仲介や紹介は、まだ誰も見たことのない芸術祭への後押しを強くしてくれます。
そしてもう一つは、アーティスト達の日頃からの活動やリサーチです。普段から東京ビエンナーレの対象エリアに拠点を置いて活動し、地域の方達と交流してきたアーティスト、グループがあります。そういった活動は、細やかなフィールドワークと相手との対話を重ね、その場所の協力がなければ実現しないプロジェクトを実現しています。
こういった形が特徴としてよく現れているプロジェクトは、私なりの視点ですが次のものが上げられます。
池田晶紀による「 いなせな東京 Project」、中村政人による「 優美堂プロジェクト」、スタジオバッテリーによる「 文キョウの境カイ」、BKY+銭湯山車巡行部による「 令和三年度 銭湯山車巡行」、鶯谷ベル・エポックによる「 鶯谷ベルエポック プロジェクト」です。これらプロジェクトの発表場所は、数年間かけてアーティスト達が耕してきた土地やコミュニティとの信頼関係の上にあり、アート作品を見る視点以外に、芸術祭を受け入れる地域の姿を見ることが出来るのではないでしょうか。
宍戸遊美
東京ビエンナーレ2020/2021 アドミニストレーター

CURRENT & UPCOMING INFORMATION

TOKYO BENCH PROJECT が手がけるベンチがついに実装!

東京スクエアガーデン(京橋)に12台のベンチが常設されることになりました。
プレイベントとして2019年に約1ヶ月間の期間限定設置から約1.5年。
アーティストグランドレベル(田中元子+大西正紀)がデザイン監修をしたベンチが、
これからずっと新しい京橋の景色を作っていきます。皆さんもぜひ座りに訪れてみてください。
写真:ただ(ゆかい)

事業者 東京建物株式会社
ベンチ設計製作 株式会社イトーキ
ベンチデザイン監修 株式会社グランドレベル
協力 東京ビエンナーレ
https://tb2020.jp/news/tokyo-bench-project/

RECOMEND INFORMATION
東京ビエンナーレが発信する情報をピックアップしてご紹介します。

東京ビエンナーレ2020/2021の公式note

参加アーティストやディレクター、市民委員会の方々等のインタビューや対談、寄稿記事、また作品の進捗などをご紹介いたします。

批評とメディアの実践のプロジェクト

東京ビエンナーレのプロジェクトの一つとして「リレーションズ:批評とメディアの実践のプロジェクト」を立ち上げます。このプロジェクトは、主としてウェブやソーシャルメディアを中心にデジタル化とグローバル化の時代の批評とメディアのあり方を考えると同時にその実践を行うことを目指します。

アートにまつわる言葉を編み、文字を綴ることを専門的に学ぶ学校

アートにまつわる言葉を編み、文字を綴ることを専門的に学ぶ学校「アートライティングスクール」のnoteサイトです。受講生の記事を中心に公開します。本校は「東京ビエンナーレ2020/2021」のソーシャルプロジェクトのひとつで、プロジェクトディレクターは美術評論家の福住廉です。

TOKYO BIENNALE note
TALK 藤浩志×高山明×遠山正道
東京ビエンナーレの参加作家3名に話を伺うTOKYO BIENNALE TALKシリーズ。今回は美術家の藤浩志さん、演出家・アーティストの高山明さん、実業家であり今回はアーティストとしてご参加いただく遠山正道さんに登場いただいた。藤さんはnoteの 過去記事インタビューに詳しいが、現在は秋田在住で東京から離れローカルで美術の実践をしている。高山さんは演劇ユニットPort Bの代表を務めてはいるが、近年劇場という枠を飛び出して様々な場所で人と人が新しい価値観に出合うようなプロジェクトを多数展開。そして遠山さんは、食べるスープという提案をしたブランド「スープストックトーキョー」やセレクトのリサイクルショップである「 PASS THE BATON」等、事業を通して新たな価値観を社会に提示している。ビジネス、アート、ローカル、それぞれの立場から現在の状況について、コロナ以後のアートについてお話いただいた。(聞き手・文:上條桂子)
Photo: 『マクドナルドラジオ大学 フランクフルト』Photo by:Masahiro Hasunuma

RELATIONS
インタビュー:ウラジオストク・ビエンナーレとロシア極東の美術
ユーリヤ・クリムコ
日本の対岸にあるロシアの港湾都市ウラジオストクでは、1998年以降、ウラジオストク国際ビエンナーレが開催されている。ウラジオストクでは、アートと環境――地域の自然、気候、歴史、文化、伝統――はどのように結びついているのか。ウラジオストク国際ビエンナーレのコンセプトや特徴は何か。海外のキュレーター(2017年:項苙苹、2022年:保坂健二朗)を招聘するメイン・プログラムやその他のプログラムの目的とは? 同ビエンナーレのコミッショナーであるユーリヤ・クリムコが語る。
Photo by Vadim Popov. Zhang Yu

アートライティングスクール
「人間と物質」展の真実
アートライティングスクールのメディアがローンチしました。受講生の記事を発表してまいります。第一弾は「人間と物質展の真実」。1970年に東京都美術館で開催された「第10回日本国際美術展」、通称「東京ビエンナーレ」。伝説的な「人間と物質」展はどのように開催されたのか、当時の現場はどんな状況だったのか、そして批評はどのように機能していたのか──。同展事務局だった峯村敏明さんに詳しく伺いました。

TOKYO BIENNALE SNS
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東京ビエンナーレ賛助会員のお申込について
「一般社団法人東京ビエンナーレ」では、東京ビエンナーレの運営・実施を支える「賛助会員」を募集いたします。市民を主体に東京で立ち上がる、新たな動きにご賛同頂ける個人・法人の皆様のご参加を心からお待ちしております。様々な形で東京ビエンナーレを知りながら、応援いただければ幸いです。

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東京ビエンナーレ2020/2021
見なれぬ景色へ ―純粋×切実×逸脱―

開催期間:2021年7月~9月
※会期は変更になる場合があります。

一般社団法人東京ビエンナーレ