東京ビエンナーレジャーナル VOL.13
見なれぬ景色へ
2022.8.2
TOKYO BIENNALE

東京ビエンナーレに期待すること

私は千代田区で協永ソフトエンジニアリングという不動産業を営んでいる橋本樹宜と申します。東京ビエンナーレでは、リエゾンディレクターという立場で事務局やアーティストの皆さんとまちの人たちを繋ぐ役割をしています。
地元でまちづくりの活動を続けていく中で、東京ビエンナーレ総合ディレクターの中村政人さんと出会い、「芸術祭を立ち上げて地域と一緒に盛り上げていきたい」という話をされていた時に、これはお手伝いしないわけにはいかないと思ったことがきっかけで東京ビエンナーレに参加することになりました。
 
昨年の東京ビエンナーレ2020/2021を振り返ると、私自身は東京ビエンナーレのコンセプトである「“私”から“私たち”へ」の実践が十分にできずに終わってしまった、と思っています。それは感染症によるしばりの厳しさもあり、また、誰がどこで何をやるのかということを共有する時間もすべもなかったというのが正直なところです。
しかしながら次回の東京ビエンナーレでは、積極的に発信することができるだろうと思っています。それは地域に住む人たちに対してはもちろん、さらに昼間人口、所謂働いている人たちも取り込んでやっていくことができれば、より拡散できると考えているからです。
前回でいうと「 天馬船プロジェクト」では、エリアとしてみると遠いところもあり、限られた人たちだけのものと見られがちな部分もありました。しかし参加した企業それぞれが「天馬船プロジェクト」の持っている意義性や、社会性を発信することによって多くの参加者が集まりました。要するに個の発信だけでなく、企業の社会性を問う発信などが個の気持ちに届き、発信力に大きくバイアスをかけてくれるのではないでしょうか。
 
私は大学時代、コミュニティの研究をしていました。仲が良くない人同士でも、共通言語のようなものがあると、それを媒体として関係性ができることがあります。その媒体が場所であったりすると、愛着を持たせることができたり、そこの場が自分にとって誇りに昇華させることができたり。私はそれが場の持っている強みだと考えています。
東京ビエンナーレ市民委員会で、次回基軸となる予定の会場が発表されましたが、その会場は過去と現在をつなぐという意味で東京の昔の江戸から現在を繋いでくれる繋ぎやすさを非常に感じました。このような一貫した時間の流れの中で、さらにそこからどのようにクリエイティブな世界を提案するのか。何が媒体となり、どんな場の作り方となるのか、それがどういった未来になるのか、期待をしています。
リエゾンディレクター 橋本樹宜

TOKYO BIENNALE NEWS

6月29日(水)東京ビエンナーレ市民委員会定例報告会が開催されました
3ヶ月に1度開催する市民委員会定例報告会。6月はリアル会場とオンラインのハイブリッドで開催しました。
本会では次回東京ビエンナーレの計画や進捗レポートをご報告し、各委員による意見交換を行いました。会場からは活発な意見が上がる中、コロナ禍を経て変化しつつある街の様子や、コミュニティ・企業の活動なども語られ、東京の現状と芸術祭のあり方について議論されました。
東京ビエンナーレ市民委員会は、賛助会員の方もオブザーバー参加が可能です。共に東京ビエンナーレを作りあげていく事に興味のある方は、是非 賛助会員へご参加ください。

林加奈子「詰まる人々」展示終了
東京ビエンナーレ2020/2021において東京ドームシティ内通路を会場に出品され、会期終了後も引き続き展示を行っていた 林加奈子「詰まる人々」は7/25(月)をもって展示終了となりました。
足をお運びいただいた皆様、誠にありがとうございました。


RECOMEND INFORMATION
東京ビエンナーレが発信する情報をピックアップしてご紹介します。

東京ビエンナーレ2020/2021の公式noteです。

参加アーティストやディレクター、市民委員会の方々等のインタビューや対談、寄稿記事、また作品の進捗などをご紹介いたします。

批評とメディアの実践のプロジェクト

このプロジェクトは、主としてウェブやソーシャルメディアを中心にデジタル化とグローバル化の時代の批評とメディアのあり方を考えると同時にその実践を行うことを目指します。

RELATIONS
共生の夢――レオニート・チシコフの宇宙
鴻野わか菜、レオニート・チシコフ
レオニート・チシコフ(1953年生)の創作は、初期から現在に至るまで、多様性の尊重、他者への共感、国や文化を超えた友愛、宇宙への夢という主題で貫かれている。
チシコフは、1953年にウラル山脈の麓の小都市ニージニー・セルギで教師の家に生まれ、本に囲まれて育ち、一人で山に登っては湖のそばで空を眺める夢みがちな子供だったという。(後年制作した《ソリヴェイグ》(2004)は、故郷の湖のそばで夢をめぐらせた作家の幼年時代を主題とする作品である。)...

東京ビエンナーレ賛助会員のお申込について
「一般社団法人東京ビエンナーレ」では、東京ビエンナーレの運営・実施を支える「賛助会員」を募集いたします。市民を主体に東京で立ち上がる、新たな動きにご賛同頂ける個人・法人の皆様のご参加を心からお待ちしております。様々な形で東京ビエンナーレを知りながら、応援いただければ幸いです。

「東京ビエンナーレ2020/2021 記録集」好評発売中
緊急事態宣言下で開催された国際芸術祭「東京ビエンナーレ2020/2021」。
本書では、オリンピックとパンデミックにゆれた2021年の首都に、つかのま出現した”見なれぬ景色”たち -70のアートプロジェクトを総覧します。
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